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スポーツ選手の腰椎椎間板ヘルニアの注意点 ~競技によるストレスのかかり方の違い~

健康情報
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椎間板ヘルニアは、腰椎と腰椎の間にはさまれた椎間板がはみ出てしまう疾患です。

腰椎の動きには、「腰を前に曲げる(前屈)」、「腰を後ろに反らす(後屈)」、「腰を捻る(回旋)」があります。

上半身の重さは縦方向の圧力(軸圧)となって椎間板へのストレスとなります。

このうち、ヘルニアが起こりやすい腰椎の動きは「前屈」と「軸圧」と考えられています。

ですから、「前屈」と「軸圧」の加わることが多い種目のスポーツ選手はこれらの動きによるストレスを緩和するたケアを考える必要があります。

腰椎椎間板ヘルニアとはどんなものですか? ~腰椎椎間板ヘルニアの基礎知識~

腰椎椎間板ヘルニアは、はみ出た椎間板が神経や脊髄の硬膜を圧迫して腰痛や足の痛み、痺れを引き起こすものです。

好発年齢は20~40歳代が多く、男性に多い疾患です。

加齢による椎間板の変性(弱くなる、もろくなる)が要因となって、腰部への負荷が繰り返されることで発症すると考えられています。

一般の人でも腰部への負担を受けきれないと起こりやすいものですが、スポーツ選手では練習や競技試合などで負担が大きくなる機会が増えるため発生率も高くなります。

腰の動きによって椎間板にかかる負担は違います ~スポーツの種目によって椎間板にかかるストレスの違い~

下の図は腰の動きの違いによる椎間板へのストレスのかかり方です。

1.縦方向への荷重ストレス(軸圧ストレス)

軸圧ストレスでは椎間板の中心にある「髄核」の移動はあまりありませんからヘルニアを起こすことは少ないのですが、椎間板の変性があると髄核がへしゃげてつぶれてしまいます。

つぶれ方が大きいと、椎間板からはみ出てヘルニアを起こす可能性があります。

2.前後方向の屈伸ストレス(前屈、後屈)

前屈で椎間板内の髄核は後ろへ移動し、後屈で髄核は前に移動します。

移動幅が大きければはみ出てヘルニアを起こします。

前屈の方がヘルニアを起こしやすいと言われています。

3.腰部のひねり(回旋ストレス)

回旋は、椎間板の線維組織へのストレスが大きい動きです。

繰り返しの回旋ストレスは剪断力となり、少しずつ線維を傷つけてしまいヘルニアの下地を作ると考えられています。

「軸圧」、「回旋」、「屈伸(前後屈)」のストレスはどのスポーツでも必ずかかるものですが、種目によっては傾向が違います。

参考:棈松, 昌彦, et al. スポーツ選手における腰椎椎間板ヘルニア.整形外科と災害外科,

全ての種目で腰椎椎間板ヘルニアは発症しますが、ある研究によると「回旋の多い種目」である野球、サッカー、テニスなどの選手は、腰を痛めても復帰率が高く、「回旋と屈伸の多い種目」であるバスケットボール、バレーボールなどの選手は、腰を痛めた後の復帰率が低かったとされています。

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